親が亡くなった後の家の名義変更はどうする?相続による名義変更について解説!

相続

2025.12.10

親が亡くなった後の家の名義変更

親が亡くなった後、そのまま住んでいる家や空き家となった不動産の扱いは、多くのご家庭で直面する大きな課題です。特に家の相続に伴う名義変更は、一見すると単純なようで実際には多くの書類が必要となり、専門的な判断を要する場面も少なくありません。

本記事では、家の名義変更を検討している方に向けて、必要な手続きの流れや注意点を詳しく解説します。

そもそも「家の名義変更」とは何?

一般に「家の名義変更」とは、正確には相続を原因とする不動産の所有権移転登記(以下、「相続登記」といいます)のことを指します。
不動産の権利関係は、法務局が管理する登記簿に記載されており、所有者が亡くなった場合は、この登記名義を相続人へ変更する必要があります。

これを怠ると、

  • 売却ができない
  • 住宅ローンの借り換えができない
  • 将来の相続で相続人が増え、権利関係が複雑になる

といった問題が生じます。
2024年4月以降、相続登記の申請が義務化されているため、家の名義変更をしないまま放置することは、罰則の対象となる場合もあります。

家を相続するための基本的な流れ

親が亡くなった後の家の相続・名義変更は、次のような流れで行います。

① 相続人の確定

まずは、誰が相続人となるのかを調べる必要があります。
相続人の確定にあたり、亡くなった方(被相続人といいます)の出生から死亡までの戸籍を収集します。

※相続登記の実務上は、死亡時の戸籍が収集できない場合でも、生殖可能年齢(おおむね12歳)から死亡までの戸籍があれば足ります。

相続人の確定は相続の大前提であり、家を誰が相続するかを決める前に必ず行います。

② 遺産分割協議

相続人が複数いる場合、相続人の全員で遺産分割協議を行い、家を誰が取得するかを話し合う必要があります。

遺言書があればその内容が優先されますが、遺言書がない場合は相続人全員で協議を行い、遺産分割協議書を作成します。

協議書には、「どの家を」「誰が相続するのか」を明記し、相続人全員が署名捺印をします。

③名義変更に必要な書類をそろえる

家の相続登記に必要な主な書類は次の通りです。

  • 家を取得する相続人の住民票
  • 被相続人の戸籍一式
  • 遺産分割協議書または遺言書
  • 家の固定資産評価証明書
  • 相続登記申請書

書類は多岐にわたりますが、これらが揃わないと名義変更ができないため、慎重に準備する必要があります。

④法務局へ相続登記(家の名義変更)を申請する

必要書類をすべてそろえたら、管轄の法務局へ相続登記を申請します。
申請方法は以下の3つがあります。

  • 法務局窓口で提出
  • 郵送
  • オンライン申請

一般の方は窓口か郵送で提出するケースが多いでしょう。
ただし申請書に誤記がある場合や、提出した書類に不備があると、申請後に補正を求められ、法務局への出頭を求められる場合もあります。

⑤ 名義変更完了後の確認

登記が完了すると、新しい所有者が記載された登記簿が出来上がります。
これにより、家の名義変更が正式に完了したことになります。

家の名義変更をしないとどうなる?

家の相続・名義変更を先延ばしにするケースは多いものの、実はデメリットが非常に大きいです。

売却・解体・リフォームができない

所有者が亡くなったまま放置すると、法的には誰がその家を処分できるのか不明確となります。

法律上は売却できるものとされていますが、被相続人名義のままの家を買う人はまずいません。
結果として、売却や解体をしたくても手続きができません。

相続人が増えて、話がまとまらなくなる

相続登記を放置すると、10年後・20年後には相続人が数倍に増えていることもあります。結果、共有者が数百人になり、名義変更に年単位を要することもあります。
そのうえ誰か一人が反対するだけで名義変更ができなくなることもあり、将来的に大きなトラブルを招く原因となります。

相続登記の義務化による罰則

相続で家を取得した日から3年以内に登記をしないと、10万円以下の過料の対象となります。
不要な負担を避けるためにも、早めに相続登記の申請を行いましょう。

まとめ

親が亡くなった後の家の名義変更は、感情的にも負担が大きい場面ですが、放置すればするほど手続きが難しくなる特徴があります。名義変更を行うには、相続人の確定、遺産分割協議、必要書類の収集、法務局での登記申請と、いくつものステップが必要です。

また、相続登記の申請は義務化されており、家の名義変更をしないまま長期間放置してしまうと、過料の対象になる可能性があります。

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