金融仲介機能のベンチマークとは?
多くの金融機関は、その経営理念や事業戦略等において、金融仲介機能を発揮し、取引先企業のニーズや課題に応じた融資やソリューション(解決策)の提供等を行うことにより、取引先企業の成長や地域経済の活性化等に貢献していく方針を掲げています。
金融機関が、そういった自身の経営理念や事業戦略等にも掲げている金融仲介の質を一層高めていくためには、自身の取組みの進捗状況や課題等について客観的に自己評価することが重要であると、金融庁は言っています。
こうした考え方の下、金融機関における金融仲介機能の発揮状況を客観的に評価できる多様な指標である「金融仲介機能のベンチマーク」を、昨年9月15日に公表しました。
ベンチマークの具体的項目については、全ての金融機関が金融仲介の取組みの進捗状況や課題等を客観的に評価するために活用可能な共通ベンチマークと、各金融機関が自身の事業戦略やビジネスモデル等を踏まえて選択できる選択ベンチマークを提示しています。
すなわち、共通ベンチマークは、すべての金融機関が守らなくてはいけない項目で、選択ベンチマークは、金融機関の戦略ごとに、行おうとする項目です。
これからの金融機関の融資方針はどうなる?
特に重要なのは、共通ベンチマーク。この共通ベンチマークは、どの金融機関も行わなければならない指標が並んでいます。
その中に、「担保・保証依存の融資姿勢からの転換」という項目があります。これは、「事業性評価融資」をどれだけ増やすことができたか?をチェックする指標です。
「事業性評価融資」というのは、「担保や保証、財務内容ではなく、企業の将来性を重視した融資を行うこと」を言い、担保がなくても、赤字決算でも、将来性が見込める先であれば、融資を積極的にするよう、金融庁は言っています。
だから、これから金融機関は、積極的に「事業性評価融資」を増やして行くようになります。
赤字決算でも担保や保証がなくても融資してもらるようになるには
金融機関が事業性評価融資を行うためには、その企業の将来性情報がとても重要になります。
しかし、限られたマンパワーしかない現在の金融機関には、すべての取引先企業の将来性情報を集めるのは、物理的に難しい。
優先して、「事業性評価融資」をしてもらいたいのであれば、企業自らが自分たちの将来性情報を積極的に提供すること。すなわち、事業計画書の作成が重要になってきます。
事業計画書を作成することで、赤字決算でも担保や保証がなくても融資してもらえる可能性が高まります。
事業計画書の作成については、専門家のサポートが有益ですので、是非お気軽にご相談頂ければ、と思います。