親が亡くなったら最初にやること|死亡したらどんな手続きが必要かわかりやすく解説

相続

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家族会議

「この記事の監修:弁護士 宮内 裕(宮内法律事務所)」

親が亡くなったとき、多くの人が「何から手をつければいいのかわからない」と感じます。
葬儀の準備や各種の行政手続き、相続関係など、短期間で多くのことを判断しなければならず、心の整理がつかないまま進めなければならないことも少なくありません。

適切に手続きをしないとあらぬトラブルの原因になることもあります。
ここでは、法律の専門家として、親が亡くなった後に「最初にやるべき手続き」を時系列に沿ってわかりやすく解説します。

親が亡くなったら最初にやる手続き

死亡の確認と死亡診断書の取得

まず行うのは、死亡の確認です。
自宅で亡くなった場合は、かかりつけ医に連絡し、医師に死亡を確認してもらいます。医師が「死亡診断書」を作成しますので、これを受け取ります。

この書類が、後のすべての行政手続きの基礎となるため、必ず原本を大切に保管しましょう。

死亡届の提出

次に必要なのが、死亡届の提出です。
死亡届とは、死亡の事実を市区町村に届け出るための書類です。死亡診断書とセットで提出されるのが一般的です。

死亡届や死亡診断書は相続人や親族が市区町村役場に提出するケースが多いです。
提出期限は、「死亡の事実を知った日から7日以内」です。なお、国外で亡くなられた場合、死亡の事実を知った日から3か月以内となります。
死亡届等の提出先は、亡くなった方の本籍地、死亡地、届出人の所在地のいずれかの市区町村の役所となります。

そして、死亡届を提出すると、「火葬許可証」が交付されます。これがなければ火葬ができません。この手続きは、葬儀社が代行することも多いですが、内容は家族の責任で確認するようにしましょう。

葬儀・火葬・埋葬の手続き

死亡届の提出後、葬儀の準備に入ります。
火葬許可証を火葬場に提出し、火葬が終わると「埋葬許可証」が交付されます。
埋葬許可証は納骨の際に必要になりますので、失くさないように保管します。

この段階では、遺族間で「喪主を誰が務めるか」や「葬儀の形式(仏式・神式・無宗教など)」を話し合う必要もあります。
葬儀費用は、原則として遺族が立て替えることになりますが、相続人全員の話し合いにおいて異議がないときは相続財産から支払うことも可能です。

健康保険・年金・公共料金などの届出

葬儀が終わったら、生活関係の各種手続きを進めていきます。
死亡に伴って停止・変更が必要な手続きは多岐にわたります。

主な手続き一覧

区分手続き内容主な窓口
健康保険被保険者証の返却、埋葬料申請市区町村役所
年金年金受給停止手続き、未支給年金の請求市区町村(年金課)
銀行口座名義人の死亡による凍結各銀行窓口
クレジットカード解約・ポイント処理各カード会社
電気・ガス・水道契約名義の変更または解約各事業者
自動車名義変更・廃車手続き運輸支局

これらは順番に行えば問題ありませんが、期限が決まっているものもあるため、
1か月以内を目安に整理して進めるのが望ましいです。

相続手続きの準備

行政・生活関係の手続きが終わったら、次は相続手続きの準備です。
まず確認すべきは、遺言書の有無です。遺言書には以下のような種類があります。

  • 自筆証書遺言(被相続人が自書したもの)
  • 公正証書遺言(公証役場で作成したもの)
  • 秘密証書遺言

このうち、「秘密証書遺言」はほとんど利用されていません。
自宅に保管されている場合は、開封せずに家庭裁判所へ提出して「検認」を受ける必要があります。
令和2年からは「法務局での自筆証書遺言保管制度」も始まりました。この制度を利用することで、自筆証書遺言を紛失したり改ざんされるリスクが低下します。

相続人の確定と相続財産の調査

遺言書の有無を確認したら、次に行うのは相続人の確定です。
被相続人(亡くなった人)の出生から死亡までの戸籍謄本一式を取り寄せ、誰が法定相続人にあたるのかを調べます。
あわせて、故人名義の不動産・預貯金・株式・保険などの相続財産を調査します。
これらを一覧にまとめておくと、後の遺産分割協議や登記手続きがスムーズになります。

※負債(借金)も相続財産となりますので、借入金がある場合はそれもリストに含めましょう。

遺産分割協議と名義変更

相続人が複数いる場合は、遺産分割協議を行い、誰がどの財産を相続するのかを話し合います。協議がまとまったら「遺産分割協議書」を作成し、全員が署名・押印します。
この書面をもとに、

  • 不動産の名義変更(相続登記)
  • 自動車の名義変更
  • 銀行口座の解約
  • 株式・保険の名義変更

などの具体的な手続きを進めます。なお、不動産の名義変更(相続登記)は2024年4月から義務化されており、取得を知った日から3年以内に登記を申請しないと過料の対象になる可能性があります。2024年4月より前に発生した相続においても義務化の対象であり、2027年3月31日までに登記を申請する必要があります。
ただし、名義変更や解約をしてしまうと相続放棄ができなくなる可能性があるので、ご注意ください。

相続手続き全体の流れや遺産分割のトラブル対処法は、→福岡の相続・遺産分割完全ガイドで詳しく解説しています。

まとめ

親が亡くなると、短期間で多くの手続きを行う必要があり、精神的にも大きな負担がかかります。
気持ちが落ち着く前にしなければならないという点は酷な話ですが、まずは死亡届の提出と葬儀の準備を最優先にし、落ち着いてから保険・年金・相続などの手続きを進めましょう。

もし手続きの順番や必要書類がわからない場合など、不安な点がある場合は弁護士に相談することで、安心して手続きを進めることが可能です。

この記事の監修者

宮内法律事務所 代表弁護士 宮内 裕
(福岡県弁護士会所属 / 登録番号:第44371号)

「法的な正しさ」と「人としての納得」を両立させる。

元福岡県庁職員という、行政実務を知り尽くした異色の経歴を持つ弁護士。福岡・博多を中心に、相続・交通事故・企業法務の3分野に特化して活動中。

相続や遺産問題では、遺産分割から、高度な交渉が必要な使い込み調査・遺留分請求、複雑な事案、数億円規模の解決など相続全般を対応。

交通事故では、300件以上の対応実績で、適正な後遺障害認定と賠償獲得のため、保険会社とのタフな交渉を代行。企業法務でも、元行政職員の視点を活かし、未然に紛争を防ぐ予防法務とリスク管理を得意とする。

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