【遺留分とは?】もらえる割合と計算方法を具体例で解説(相続パターン別)

相続

2026.01.17

【遺留分とは?】もらえる割合と計算方法

相続の話題でよく耳にする言葉の一つに「遺留分」があります。
遺言書があっても「遺留分を侵害している」「遺留分侵害額請求をされた」といったトラブルが起こることがあり、相続問題を考えるうえで避けて通れない制度です。

しかし、遺留分がどのようなものなのか、誰にどれくらい認められるのかを正確に理解している人は意外と多くありません。
この記事では、遺留分の基本的な仕組みから、具体的な割合、注意点までを詳しく解説します。

遺留分とは?

遺留分とは、被相続人(亡くなった人)の生前贈与や死因贈与、遺贈があったとしても、一定の相続人に対して法律上保障されている相続財産の割合のことです。

被相続人は、原則として自由に財産の分け方や処分を決めることができます。そのため、相続人1人に全財産を渡したり、相続人以外の第三者に財産を渡すこともできます。しかし、その自由を無制限に認めてしまうと、特定の相続人が全く財産を受け取れないという不公平な結果が生じる可能性があります。結果、残された配偶者などの生活保障ができなくなる恐れがあります。

そこで、被相続人と特に身近な立場にある相続人については、最低限の取り分を確保する制度として遺留分を定めています。
遺留分は「相続人の生活保障」を目的とした制度といえます。

遺留分が認められる相続人

遺留分が認められるのは、すべての相続人ではありません。具体的には、次の相続人に限って遺留分が認められています。

  • 配偶者
  • 子(代襲相続人を含む)
  • 直系尊属(父母や祖父母)

一方で、兄弟姉妹には遺留分はありません。
そのため、「全財産を長男に相続させる」という遺言があった場合でも、兄弟姉妹から遺留分の主張をされることはありません。
また、遺留分が認められている相続人が相続欠格や廃除、相続放棄によって相続権を失った場合には、遺留分も失います。

※ここでいう「兄弟姉妹」とは、被相続人から見た兄弟姉妹をいいます。

遺留分の割合

遺留分の割合(遺留分割合)は、相続人の構成によって異なります。

直系尊属(親や祖父母)のみが相続人の場合

3分の1が遺留分割合となります。

それ以外の場合(配偶者や子がいる場合)

2分の1が遺留分割合となります。

この「遺留分の総額」を、各相続人の法定相続分に応じて分けたものが、個別の遺留分割合となります。

具体例

相続財産の額が1000万円、相続人が配偶者と子2人(長男、次男)の場合についてはどうでしょう。

このケースでは「相続人が直系尊属のみ以外」にあたるため、遺留分は2分の1になります。そしてこの場合、法定相続分(法律で決められた相続の割合)は配偶者が2分の1、長男と次男がそれぞれ4分の1ずつとなります。

よって、

  • 配偶者の遺留分割合:4分の1
  • 子の遺留分割合:4分の1

となります。子が2人であるため、上記の遺留分割合4分の1をそれぞれ2分の1ずつに分けます。

これにより遺留分額を計算すると、配偶者は1000万円×(1/4)=250万円、長男と次男はそれぞれ1000万円×(1/4)×(1/2)=125万円となります。

相続財産から受け取った額が上記の額未満である場合、「遺留分が侵害された」ということになります。

遺留分が侵害されるとはどういうことか

遺言や生前贈与によって、ある相続人が遺留分に満たない財産しか受け取れない場合、その相続人は「遺留分を侵害されている」状態になります。

典型的な例としては、次のようなケースです。

  • 全財産を特定の子1人に相続させる遺言
  • 長年介護をしていた子に多額の生前贈与をしていた
  • 再婚相手にすべての財産を遺贈した

このような場合、遺留分を侵害された相続人は、以下の「遺留分侵害額請求」を行うことができます。

実際に遺留分が侵害された場合には、遺留分侵害額請求という手続きが必要になります。具体的な方法や注意点はこちらで解説しています。

遺留分侵害額請求とは

遺留分を侵害された相続人は、侵害された遺留分に相当する金銭の支払いを求める権利を有します。

これが遺留分侵害額請求です。 以前は「遺留分減殺請求」と呼ばれ、財産そのものを取り戻す制度でしたが、現在は金銭請求のみをすることができる制度となっています。

まとめ

遺留分とは、一定の相続人に法律上保障された最低限の取り分です。
被相続人の遺言の自由と、相続人の生活保障とのバランスを取るために設けられた重要な制度といえます。

相続は「まだ先の話」と思われがちですが、遺留分を正しく理解しておくことで、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。
不安がある場合は、早い段階で専門の弁護士に相談することをおすすめします。

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