「コロナ融資の返済が厳しい」という事業者が増えています。
すでに返済が始まっている事業者だけでなく今後、返済が開始となる事業者の中にも同様の悩みを抱えている方も相当数存在しているでしょう。
そんな事業者がコロナ融資の返済を先送りする手段として【同額借換】という方法がありますが、その【同額借換】に利用できる制度の締切が迫っています。
1.コロナ融資の同額借換は2024年3月末で終了予定
民間ゼロゼロ融資において、同額借り換えするためには「コロナ借換保証制度」を利用するのですが、2024年1月25日現在、この「コロナ借換保証制度」は、3月末で終了予定となっています。
また、日本政策金融公庫のコロナ融資である「新型コロナウイルス感染症特別貸付」という制度も同じく3月末で終了予定となっています。これら両制度が終了すると、コロナ融資の同額借換での返済据置期間の延長ができなくなります。
2.申し込んでから「正式受理」まで1ヶ月以上は必要
「3月末で制度が終了となるのであれば、3月に申し込んでも十分間に合うのではないか」と思われるかもしれませんが、そういうわけにはいきません。なぜなら、「3月末までに申込み」ではなく「3月末までに正式に受理されなければいけない」からです。
民間ゼロゼロ融資の場合、事業者はまず金融機関に「コロナ借換保証による同額借換」を依頼します。
依頼を受けた担当者は稟議書を作成し、支店内で審査をした後、本部の審査を担当する部署でその稟議書を審査します。その審査で「同額借換OK」となれば、当該金融機関から信用保証協会に「コロナ借換保証制度による同額借換」の保証依頼が行われます。その依頼が信用保証協会から受付されたときに「受理」となります。通常、「金融機関に申込み」から「信用保証協会の受理」まで1ヶ月程度はかかります。
公庫の場合は、そこまで複雑ではありませんので、依頼から受理までは通常は1~2週間となります。
3.なぜ、2月半ばまでに申し込まないといけないのか
依頼から受理まで、保証協会は1ヶ月程度、公庫でも1~2週間程度なら3月初旬に申し込んでも十分間に合うだろうと思うかもしれませんが、それでは間に合わない可能性が高いのです。なぜなら、制度が終了する間際は「駆け込み申請」が大量に発生するからです。
公庫も保証協会も、人員が限られているため、キャパシティをオーバーするような申請が増えた場合、どうしても審査に時間がかかります。通常、1ヶ月で審査できるような案件に2~3ヶ月必要になります。
以前にも多くの駆け込み申請が発生したことで、制度の締切の1ヶ月半前ぐらいに公庫も保証協会も「これ以上は受付できません」ということで、早めに締め切ったという事例がありました。
今回も同様なことが起こる可能性は十分あります。
だから少なくとも締切の1ヶ月半前である2月半ばまでには申し込まなくてはならないのです。